• 岩本貴志

「都会のオオタカ、観察の記録」33、空中餌渡し

最終更新: 7月17日


「都会に進出した猛禽、オオタカの物語」

今では獲物は空中で受け渡し


このブログでは、2017年7月から2018年12月までの間、管理人の目の前で繰り広げられた野生のドラマを紹介しています。




これまで親鳥(父鳥)が持ってきてくれた獲物は、オオタカの森の木の枝に置かれていた。

それは雛がまだ小さく、巣にいた頃からずっと続いていた事。


幼鳥たちが、まだ小さな雛で巣の中にいた頃は、木の枝に置かれた獲物は母鳥が取りにいっていた。


獲物が運ばれてくると、3羽の幼鳥たちは一目散へ、獲物の元へと。


その獲物の取り合いは、7月中を過ぎると熾烈を極めてきた。



父鳥も、最近餌を運んでくる頻度を少しずつ減らしてきているので、兄弟たちは最近皆お腹を空かしたまんま。


少なくなって来た獲物、我先にを得ようと、幼鳥たちは、獲物を持って逃げたり、隠したり。


3兄弟、それぞれ知恵を搾り出し、少しでも多くの餌を食べてやろうと工夫していた。



7月が終わりに近ずくと、

親鳥の幼鳥たちへの餌の渡し方も変化した。


その様子を下に紹介する。


獲物を運ぶお父さんを、いち早く見つけた幼鳥



木の梢で兄弟とは別に、一羽でお父さんの帰りを見守っていた長女。

いちばん最初に、お父さんが帰ってくるのを見つけた!


大きな声で鳴いて、「お帰りなさい!獲物まってました!」


長女は「私が最初に見つけたから、私に獲物ちょうだい!」


お父さんに、直接餌をもらおうと、猛烈にアピール。


出遅れた兄弟の2羽もその後に続く。



獲物だぞー、誰が食べたい?おまえか!



親鳥は、必死にアピールしてくる長女に、餌を渡す事に決めたようだ。


幼鳥は一旦親鳥とすれ違い、後方下部に回りこんだ。



親鳥は減速、幼鳥が近づいて行く



幼鳥は後方下部から上昇し、速度を落とした父鳥に近づいて行く。


親鳥も速度を落とすと同時に一旦上昇。



親鳥は上昇しながら、獲物を手放した



父鳥は、一旦上昇しその瞬間に、持っていた獲物を手放した。


獲物をほいと上方に放り投げる形。


手放された獲物は少しだけ空中をただよい、下で待ち構えていた長女はそれをしっかりと受け取った。

親鳥は子供がしっかりと餌をつかんだ事を確認し、川の下流のほうへとゆっくりと飛んでいった。



ありがとう!お父さんと、餌を受け取った幼鳥



餌を受け取った幼鳥は大きな声で、鳴いた。


「お父さん、ありがとう!」とでもいっているようだ。


後ろからは迫る兄弟たち!


長女は、お父さんの飛んでいく、川の下流のほうへまっしぐら。

猛スピードでお父さんを追い越した。


せっかく受け取った獲物、兄弟に取られてしまってはたまらない!


2羽の兄弟はその後を追っていく。



獲物を持ったおねえちゃんを見失ってしまったようだ。



確かこっちのほうなんだけど、どこだろう?


長女は、下流側の森の中に消えた。

きっと、どこか葉の生い茂った場所で、隠れて餌を食べているのだろう。


追いかけていたほうは、お姉ちゃんを見失ってしまったようだ。

一旦、お姉ちゃんの消えた森の近くの川原へ降りた。



塒へと飛んで孵る幼鳥



兄弟はしばらく様子をうかがっていたが、あきらめ、ねぐらへと帰っていった。


塒への帰り際も、兄弟が隠れていると思われる森を気にかけながら。



事の起こっていた、すぐ近くの電線の上には、お父さんの姿。




お父さんオオタカ、何か一仕事終えたかのようだ



オオタカのお父さんは、子供達の獲物をめぐってのやり取りを、電線の上からじっくりと眺めていた。


何か一仕事終えたような安堵感を漂わせている。


きっと、立派に成長している子供達を見て、「やりとげた!」「そろそろ、手を離しても大丈夫そうだ!」とでも思っているようだ。


管理人は、この日を最後に親鳥が餌を運んでくるところは見ていない。




つづく

これは7月30日の出来事


最後までお読みいただきありがとうございます。


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